緊急事態と自衛隊ーハイチ地震、阪神淡路大震災によせて
学校も病院も教会も倒壊し、市内を車で走ると、無残に崩れ落ちた建物の群れが続いていた。
水や電気は止まり、公園や空き地は人々でごった返し、強盗などの暴力行為が増えつつある。
世界各国から救援の手が差し伸べられているが、道路が分断し、支援物資を、被災者に届けることができずにいる…
これは、12日にハイチを襲った大地震の模様を伝えたレポートです。
私は、この倒壊した建物、余震におびえる被災者の映像を見て、
15年前の阪神淡路大震災の時の模様が、脳裏に甦りました。
今から15年前の1月17日午前五時四十六分、6434人が死亡し、4万3792人が負傷した
阪神淡路大震災が発生しました。
本日は、奇しくもその同じ日に当たります。
今日は、その日のことを振り返りつつ、自衛隊のあり方についての一考を、述べさせていただきたいと思います。
その日私は、車中のラジオで第一報を聞きました。続いて、大地震であることが報じられるや、
幸福の科学総合本部より「至急、神戸に向かえ」との緊急指令。
「この政局下では、自衛隊が本格的に動くまでには、相当時間がかかる。
それまで、全力で救援にあたるように」
という、幸福の科学 大川隆法総裁の指示の下、着の身着のままで現地に向かい、
さっそく、救援物資、ボランティア、救援センター設置の手配等の準備に当たりました。
何が必要か、食料、日常生活物資はもちろんのこと、炊き出しに必要なコンロ、なべ、しゃもじ、ゴムホースにいたるまで、数を割り出し、細やかで、正確かつ敏速な指示に驚きながらも、
トラックに積み込んだ救援物資と共に、神戸に入りました。
目に飛び込んできたのは、皆さんも、何度もテレビ等の映像でご存知の通りの、
あのあまりに悲惨な、まるで映画でも見ているかの様な光景でした。
救援物資を配ろうとすると奪い合いになり、
本当にこれが日本なのかと、しばし、呆然となりました。
「十分にあります」と声をかけるとすぐに収まりはしたものの、
極限にある人々のその姿は、戦争経験の無い私には、本当に、衝撃的でした。
今も、「世界各国からの救援物資が、ハイチに集まっているが、ハイチ政府が機能を失っているので、被害地まで届けられない」
という報道が流れていましたが、当時も、同様に、届いた救援物資が、神戸市役所に山積みになっていました。
この事態を予想していた私達は、物資を送るのではなく、直接現地へ赴き、
救援センターを開設して、そこで、じかに救援に当たるという選択をしたのです。
私達が救援活動をしていた地域に自衛隊が入ったのは、震災から4日後のこと。
疲れきっているのに、神経だけは妙に研ぎ澄まされ、スクランブル状態だった私は、
自衛隊の車を見かけた時、ものすごい心強さを感じたのを、覚えています。
ちょうど、私が自衛隊時代に所属していた空挺団のトラックが止まっており、
懐かしさと何とも言えぬ安堵の気持ちで、
心の中で「よろしく頼みます。」と何度も繰り返しました。
日本には、緊急時に対応する組織としては、これ以上の組織は存在しません。
しかし、時は自衛隊反対の村山(社会党)政権、そして、兵庫県知事も社会党。
自衛隊への出動要請は遅れに遅れ、結局、火災の発生していた長田区に到着したのは、午後1時半。
この数時間の遅れによって、
との思いを抱くのは、私一人ではないと思います。
当時、陸上自衛隊中部方面隊(近畿、中国、四国などを管轄する)総監として、
救助活動を指揮した松島悠佐(ゆうすけ)氏が、
「自治体側に、自衛隊へのアレルギーがあり、早々に出動準備が整っていたのに、
自治体との連携が取れず、なかなか現地入りができなかった。」
と、涙ながらに記者会見していた姿を、私は忘れられません。
私も、かつては、自衛隊に所属し、「税金泥棒」とか、「人殺し部隊」とか言われても、
いざと言う時には黙々と、そういう人達をも命をかけて護る覚悟で、日々の訓練に従事していました。
そして、この国が、こういう、命がけで国を護らんとする若者達に、非常に冷たい国であることも、身を持って体験しました。
自衛隊は、今もって、有事法制が十分に整っていない為、
いざという時も、手足を縛られた状態での活動を、余儀なくされています。
いざという時の為に存在するのが、自衛隊です。
なのに、我が国の法律は、いざという時のことを、いざという事態が無いという前提で考えているとしか思えない有様です。
いざという時に対応するところが無かったら、この日本はどうなるのでしょうか。
たとえば、他国が日本に核ミサイルを向けて、侵略してきたら、被害は神戸の比ではありません。
災害であれ、戦争であれ、
緊急事態に際して、自分の国を自ら守ろうとすることが、一体なぜ悪いのか、
いざという時の為に、準備をすることが、その為の組織を持つ事が、どこがおかしいのか。
当たり前のことを、当たり前だと言えない日本は、どこかが、おかしいと思います。
これが、私が、出馬した最大の理由です。
大事なことを、根本のことを堂々と言えないのが問題なのです。
昨日も午前0時、新テロ対策特別措置法の期限切れに伴い、
インド洋における、給油活動に当たっている海上自衛隊部隊の任務が、終結しました。
自衛隊は違憲だと主張し、海外派遣に反対する方々は、自衛隊が何かをしようとするたびに、
「軍国主義の復活」と連呼します。
しかし、日本の周りには、
一党独裁で言論の自由を弾圧し、強力な軍隊がにらみをきかせているような国や、
独裁者が、国民を餓死させてでも、核開発をしたり、ミサイル実験を行ったりする国が存在し、
現実に、我が同胞を、拉致しているのです。
自衛隊が、独裁者の軍隊や、一党独裁の国の軍隊よりも、危険だとでも言うのでしょうか。
国民の生命・安全・財産を守るのは、国体の基本です。
日本の自衛隊は優秀です。
しかし、政治家が正しい方向性を示さなければ、
法により、きちんとした立場と権限を保障しなくては、
その力を発揮することが、できないのです。
私は、他の諸外国同様、自国を守るという尊い任務にあたられる方々が、
誇りと自信を持って職務を遂行できるよう、早急に、法整備を進める必要があると思います。
最後に、あの震災の中、多くの若者達、
茶髪の、一見不良少年と見まがう若者達が、数多く、ボランティアに駆けつけたことを、
ここに記したいと思います。
生き生きと、
まるで、生きがいを感じているが如く、働く彼らの姿に、私は、ひとつの救いを感じました。
「日本の若者も捨てたものじゃない!」
この若者達に、
次なる日本を背負う、未来の若者達に、
素晴らしい国、日本を遺してあげたいと、心から思います。


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| 国防問題・中国問題 | 12:16 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑
Re: タイトルなし
ブログ、拝見させていただきました。
どうもありがとうございます。
ご期待に応えるべく、頑張って参ります。
| 武田しんいち | 2010/01/18 10:27 | URL |